包茎手術で、包皮を切ったあとの「縫合」は、見栄えよくする上で、とても重要なポイントと言われます。
しかし、
と、悩んでいたりしませんか?
そこで、今回は包茎手術の中でも、「縫合」という処置に絞って、解説をしていきます。
これを読めば、
ということがわかります。
※下記記事では傷痕が目立つ原因について解説しています。
見栄えをよくする縫合のポイントは5つ
まず、最初に縫合で大事なポイントをお伝えします。
それは下記の5点になります。
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縫うときの力加減(テンション)
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使用する糸の種類
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連続縫合か、結節縫合か
-
縫う針の数
- 針を入れる位置
それでは、1つずつ説明していきますね。
【ポイント1】縫うときの力加減(テンション)
包茎手術ではあまり話にあがりませんが、縫合でどのくらいの力加減で縫っていくかは、重要なポイントです。
力が強すぎたり、弱すぎたりすると、術後の仕上がりに影響が出ます。
この力加減のことを「テンション」といいますが、どのくらいがいいのかとざっくり言うと、
です。
傷口を開かせないためには、できるだけ強く縫った方がいいのは当然です。
しっかり傷口が固定できて、ズレたりしないですからね。
しかし、強いテンションで縫ってしまうと、そのぶん傷口に力がかかりすぎて、しわが寄ったりします。
結果的に傷痕が目立ってしまいます。
そのため、「傷口が開かない強さ」で縫うことは大事ですが、その範囲内だったら、「できるだけ弱く、軽いテンション」で縫ってあげることが大事なんです。
ただし、ペニスの状態などによって、最適なテンションは異なります。
ドクターの技量の差が出る部分と言えます。
【ポイント2】使用する糸の種類
傷口を縫う糸、つまり縫合糸(ほうごうし)は、素材、形状などいろいろな種類があります。
ただ、見栄えを考える上で大事なのは、次の2つです。
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糸の太さ
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溶ける糸か、溶けない糸か(吸収糸か、非吸収糸か)
1つずつ説明していきますね。
1. 糸の太さ
まず、糸の太さですが、これはできるだけ細い糸の方が、傷痕がキレイになります。
糸の太さは、米国薬局方(United States Pharmacopeia: USP)で基準があります。
サイズ | 糸の最小直径(mm) | 糸の最大直径(mm) |
11-0 | 0.010 | 0.019 |
10-0 | 0.020 | 0.029 |
9-0 | 0.030 | 0.039 |
8-0 | 0.040 | 0.049 |
7-0 | 0.050 | 0.069 |
6-0 | 0.070 | 0.099 |
5-0 | 0.100 | 0.149 |
4-0 | 0.150 | 0.199 |
3-0 | 0.200 | 0.249 |
2-0 | 0.300 | 0.339 |
0(1-0) | 0.350 | 0.399 |
1 | 0.400 | 0.499 |
糸が太いと、抜糸後にそのぶん糸の痕が大きく残るので、どうしても見栄えが悪くなります。
糸が細ければ、糸の痕も小さくなるので、見栄えはキレイになります。
ただし、糸が細ければ細いほど張力が弱くなり、糸が切れる要因にもなります。
そのため、「あくまで糸が切れるような問題が起きなければ、糸が細い方がいい」ということで、単純に細ければ細いほどいいわけではありません。
ただ、病院を選ぶ際は基準の1つにはなるので、糸の太さも確認した方がいいかもしれません。その際は上記の表を参考にするといいでしょう。
2. 溶ける糸か、溶けない糸か(吸収糸か、非吸収糸か)
次のポイントは、「溶ける糸か、溶けない糸か」ということです。
溶ける糸 | 数週間後、糸が自然に溶け、抜糸の必要がない |
溶けない糸 | 数週間後、抜糸をするために再度病院に行く必要がある |
抜糸の必要がないので、手間がかからないのがメリットです。
しかし、見栄えの面ではデメリットがあります。
1つは、溶けてしまうので、ドクターが縫合の際、溶けない糸を使うときよりも、より強いテンションで縫ってしまいがちということです。
経験の豊富なドクターであれば、それほど問題はありませんが、経験が浅い場合、「溶ける」という意識があると、自然とテンションが強くなったりします。
上述したとおり、縫合は適切な力加減(テンション)で縫うことが大事です。
強いテンションだと、見栄えにも影響が出たりしますので、抑えておきたいポイントです。
また、 溶ける糸は、溶ける過程で炎症が起こる場合があります。
必ず炎症が起きるわけではありませんが、溶ける糸は分解されて体内に吸収される仕組みなので、100%炎症が起きないとは限りません。
命に影響が出るほど大きな炎症になることはないでしょうが、多少でも炎症が出た場合、少なからず傷痕に影響が出る可能性あります。
溶けない糸の場合、傷口がふさがったあと、抜糸をする必要があります。
(ずっと残しておくと、糸の穴がふさがらず、見栄えが悪くなります)
手間はかかりますが、見栄えを考えると、メリットが大きい糸です。
溶ける心配がないので、ドクターも躊躇なく、弱いテンションが縫うことができます。
また、体内に吸収されたりしないので、炎症が起こる心配なども少なくなります。
以上を踏まえ、手術で使う糸は、「細く、溶けない(非吸収)糸」がいいわけです。
糸の太さ | 溶けるか溶けないか | |
傷痕が目立たない | 細い | 溶けない糸 |
傷痕が目立つ | 太い | 溶ける糸 |
【ポイント3】連続縫合か、結節縫合か
包茎手術の縫合の仕方には、大きく2つの方法があります。
それが、「連続縫合」と「結節縫合」です。
連続縫合
1本の糸で、傷口を縫う方法です。
短い時間で縫合ができますが、仕上がりの面では様々なデメリットがあります。
まず、1本の糸ですべてを縫っていますので、もし一カ所切れてしまうと、全体の縫合がゆるみ、しっかり傷口がくっつかなくなります。
そのため、傷口がズレたりして、見栄えが悪くなることもあります。
また、一カ所ごとに適切な強さで縫えないというデメリットがあります。
上述したとおり、縫合は傷口が開かない範囲内で、できるだけ弱く縫った方がキレイに仕上がります。
しかし、1本の糸で縫ってしまうと、縫う個所ごとに強さを細かく分けて縫うことができません。
そのため、見栄えも悪くなってしまうわけです。
結節縫合
結節縫合は、縫う個所ごとに糸を切って、分ける方法です。
一カ所縫ったら糸を切って、となりの個所を縫うときはまた新しい糸で縫い直します。
もし、20針縫うとしたら、糸も20本に分けて、行うということです。
(上の「連続縫合」は、20針でも30針でも、糸は1本で行う)。
その代わり、連続縫合のデメリットをカバーしてくれます。
たとえ、一カ所の糸が切れたとしても、結節縫合なら、ほかの個所はしっかりくっついたままなので、見栄えの上ではほとんど影響が出ません。
また、一カ所ごとに縫えるので、各縫い個所ごとに、もっとも適切な強さで縫うことができます。
これは傷口を目立たせなくする上でも重要なポイントです。
このように、縫合には2つの方法があります。
説明したとおり、見栄えを重視するなら、「連続縫合」ではなく、「結節縫合」で行わなければなりません。
料金が安いクリニックは手間を省くため、連続縫合をおこなっているところも多いので、確認しておくことが大事です。
【ポイント4】縫う針の数
次のポイントは「縫う針の数」です。
つまり、「切開した個所を何針で縫うか?」です。
ペニスの大きさによって、縫う針の数は変わってきますが、条件が同じなら基本的に針の数は多い方がいいです。
なぜかと言うと、縫った個所に力が加わったとき、その負担が小さくなるからです。
術後、日常生活をしていると、直接ペニスに触れたりしなくても、少なからず傷口に力が加わったりします。
(そもそも普通に立っているだけでも、重力で引っ張られますし、歩いたりしたら、遠心力などの力も働きます)
そして、力が傷口に加わったとき、より多くの個所を縫っていれば、縫った個所にかかる負担もそのぶん分散できます。
縫った数が少なければ、一カ所にかかる負担はそのぶん大きくなり、傷口がズレたりして見栄えに影響が出るわけです。
たとえば、傷口に1kgの力が加わったとき、10針しか縫っていなかったら、一カ所にかかる負担は100gずつになります。
しかし、20針縫っていたら、一カ所あたり50gずつで済みます。
かかる力が弱い分、傷への影響も減らせるわけです。
一般に見栄えを重視しない泌尿器科の包茎手術では、15~20針くらいで縫うのが平均とされています。
見栄えを重視する美容外科であれば、20針以上で縫うところが多いですし、なかには30針以上と細かく縫っているクリニックもあります。
細かく縫った方がよいはよいですが、やりすぎると逆効果になることも覚えておきましょう。
【ポイント5】針を入れる位置
最後のポイントは、針を入れる位置になります。
大事なのは、「針を入れる位置」と「傷口」までの距離です。
通常、傷口から離れた位置から針を入れていけば、確実にしっかりと縫うことができます。
ただ、傷口から離れていると、日常生活を送っているうち、傷口同士がずれたり、よれたりしやすくなります。
その結果、傷跡が目立ちやすくなるわけです。
そのため縫合するときは、できるだけ傷口付近から針を入れて縫うことが重要です。
距離が短ければ、傷口同士がしっかり合い、普段生活をしているときもズレにくくなります。
その結果、術後の傷跡も自然に見えるわけです。
縫合についてのまとめ
それでは、最後にこれまでの内容を表でまとめます。
見栄えがいい | 見栄えが悪い | |
縫う力加減 | 弱い(解けない範囲内で) | 強い |
縫う糸 | 細い | 太い |
縫合方法 | 結節縫合 | 連続縫合 |
縫う針の数 | 多い | 少ない |
針の位置 |
傷口に近い | 傷口から遠い |
※上述したとおり、どれもやりすぎは逆効果です。ペニスの状態に合わせて適切な処置は変わってきます。
以上が、傷痕を目立たせない手術をするためのポイントになります。
今回の内容はあくまで見た目を重視する場合での縫合方法です。
そのため、吸収糸が絶対ダメとか、連続縫合がまずいというわけではありません。
コスパなどを考えたら、むしろアリだったりしますので、